委員長のお仕事

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___________________ 「ふぅ。スッキリした」 「手伝ってやるって言ったのに」 「お断りします!」 あの後。 必死に萎えるように別の事を一生懸命考えたのに…余裕で元気いっぱいの息子を隠しながら帰ってきた。 普通さ、男同士だし…やっぱりこの辛さと見られた恥ずかしさとか分かるはずだよな。 なのに、何で奏は帰らないんでしょうか。 いつもならベッドでするんだけど…奏が居るから無理だし、仕方ないからトイレに行こうとしたら 俺が手伝ってやるってチャックを下げてきた奏の言葉を全力で拒否してトイレに駆け込んだよ。 ポケットに入ってた携帯で、お気に入りの動画を見ながらスッキリさせてもらいました。 いつもありがとうございます! 何か、1人でヤってたのを知られてるこの状況って…凄い空気が微妙だよね。 いや….俺だけが気まずいと思ってるだけなのかもしれないけど。 手を洗って、何か飲む?って聞いても…何もいらないって返された。 それは俺の手が汚いとか思ってるからですか!ちゃんと洗ったよ! ………軽く無言になって、何を話せばいいのか分からないまま手持ち無沙汰になって。 自分の部屋なのに、全然落ち着けないんですけど…! 仕方ないからいつもの座椅子にちょこんと座ると、 「伊織、隣…来て」 って、隣に呼ばれた。 前は怒ってた時に呼ばれたけど…今回はそんなオーラ無いし 何だろう?と思ってソファに座ると、優しくギュッと抱き締められた。 「守れなくてごめんな」 そう、少し震えた声で話す奏に…すぐに落ち込んでるんだって分かって。 何もされてないから大丈夫だよって答えても 「キスマークも、噛み跡も付けられて…脱がされて。それは何もされてない内に入らない」 って、首筋を指で撫でながら言われた。 その時に少しチクリとした痛みが走って、そういや噛まれたなぁって…今思い出した。 スッキリする事で精一杯だったけど、やっぱ血出てるよな? 今は止まってるだろうけど。
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