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「伊織、今度からは…俺とずっと一緒に居ろ。俺がちゃんと守るから」
「…うん、分かった」
何か、プロポーズみたい。
とか思ってちょっと恥ずかしかったのは内緒だよ。
ずっと友達だった奏に、いきなり何を意識してんだか。
奏は俺を好きだと言ったけど、俺は奏をそういう意味では好きじゃないし。
友達、親友。そうとしか思えない。
「あ、そうだ奏!気分転換に遊びに行こうぜ!」
「この雰囲気で?」
「この雰囲気だからだよ!気分転換って言ってるだろ?」
奏はちょっと落ち込んでるし。俺は俺で軽く気まずいなぁ、なんて思ってるし。
中学の頃を思い出して、たまにはサボって遊びに行くのもアリだろ!
早く早く!って手を引っ張る俺に、奏は仕方ねえな…って呟くと
「遊びに行ってやるから、先に風呂入ってこい。全力で首を洗い流せ」
と、いつもの威圧的な感じで詰め寄られました。
ホントにもう、奏は束縛が激しいんだから!ちょっと噛まれただけじゃん!
死ぬかと思うくらい痛かったけど!
「分かったよ。じゃあ弾丸で入ってくるから待っててね!」
「5秒だけなら」
「服すら脱げない!鬼畜!」
奏が珍しくボケた…。今日は大雨かもしれない。
こんなこと言ったら超怒られるんだろうけど。半殺しの刑は免れないよ、きっと。
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「陸、起きて」
「あ、コタちゃんだ。何でここに居るの?」
「何で、って。次の授業はここでするからだろ。陸はまた修羅場?」
修羅場と言えば…修羅場なのかなぁ?なんて、首を傾げる陸にハンカチを差し出した。
修羅場じゃなかったら、喧嘩?
こんな腫らした顔で鼻血出しながら気絶してたくせに、何でそんな平然としていられるんだろう。
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