委員長のお仕事

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「コタちゃん聞いてよ。可愛い子が居たから襲おうとしたら、別の子に殴られた」 「当たり前だと思うよ」 綺麗な顔してるのに、もったいない。いや…綺麗な顔をしてるから、こういう大胆な事が出来るのかな。 陸は今までに何回殴られたんだろう。 数え切れないけど、こうやって何回も血を流す陸を見てるから、女でもないのに ハンカチと、救急セットを持ち歩くようになった。 切れた口元に消毒して、絆創膏を貼ってあげてる間に、陸は寝てるし。 この体力の無さはどうにかなんないのかな? 「陸、運ぶから掴まって」 「んー」 肩に担いで、ゆっくりと席に座らせる。 スースー気持ち良さそうに眠る陸を見て、はぁ…と溜め息を吐いた俺は いつもの光景に慣れすぎて、そのまま隣の席で教科書を広げ… 何事も無かったかのように、授業が始まるまで予習をすることにした。 ____________________ 「はっはっは!どうだ奏!今日は市川家特製カレーだ!昨日から煮込んでいたんだぞ!」 「うん」 「うんじゃなくて!美味しい?美味しいって言ってよ!美味しいだろ?」 「だから言っただろ。伊織が作ったってだけで、美味しい」 「お、おう…何かそう素直に言われると恥ずかしくなるでござる!」 帰宅後。 街で散々遊びまくった俺たち。 外食もいいかなー、なんて思ってたんだけど、そういや今日の為にカレー煮込んでたんだった! てな感じで帰ってきた。 いつもと変わらず、特に顔つきが変わる感じも無いけど…本当に美味しいって思ってくれてるのかな? まぁ、ハイスピードで食べてるから美味しいんだろうけど。 「伊織、おかわり」 「速い!奏選手、これは自己記録を更新する速さなのではないでしょうか!」 「そういうノリいらないから。早く入れろよ」 「はい」 もっと美味しい!て顔で食べてくれたら、俺も作り甲斐があるのになぁ… 黙々と食べるのもアリだけど。 ニコニコしながら食べる奏を想像したらすごいキモいけど! でも、美味しそうに食べて欲しい。
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