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「じゃなくて!市川!俺あんまし前田とも斎藤とも仲良くないからさ、一緒に遊ぼうぜ!」
「え……」
せっかく魔の恐怖から解放されると思ったのに…佐々木くんの頭の中は奏達と遊ぶことでいっぱいらしい。
いや、いつかは部屋に戻らなきゃならないんだけどね…!
無理だって!無理無理!
ブーブークッションでイタズラされたばっかで怒り狂ってる斎藤くんと
これから怒り狂うであろう奏様の部屋に行けって言うのかよ!
死ぬよ!佐々木くんに死亡フラグしか立ってないよ!
それを黙って見守れるならまだマシだけど、絶対奏は俺に何か仕返ししてくるって!
「じゃーな!また明日USJで遊ぼ!ばいばーい!」
「ちょっと佐々木くん、引っ張らないで…!」
マジで引っ張らないでお願いだから…!
まだ心の準備が出来てないんだってば!
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「…もっぺん言ってみろ」
「オナラ野郎」
「そうか、そんなにヤられたいのか」
荷物を起きに来て、何でこうなったのか。全く覚えてないけど、ずっと言い合いをしてる気がする。
気付けば伊織が居なくなってるし、こんなヤリチン不良野郎に使う時間なんて無いんだけど
どうしてもこいつに対しての苛立ちが止められない。
どれだけ言い合いをしていたか分からないくらい、時間が経った頃
突然、同室の佐々木が部屋にやって来て…斎藤の近くにあった椅子に風船みたいなものを置いていった。
佐々木は口元に人差し指を当てて、秘密だとジェスチャーしたが…元々こんな奴に教える義理は無い。
部屋の隅に隠れた佐々木を視界に置きながら、そのまま斎藤と言い合いをしていると
斎藤が椅子に座った。
途端に鳴る、汚い音。
これが、今の言い合いの内容の発端。
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