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「伊織、見て分かるよね…?俺、このままじゃ斉藤に襲われるんだけど。助けてくれないの?それとも、見たい?」
「あ、え…っと」
「言っておくけど、斉藤とは何の関係もないからな。まじで犯されそうなんだけど…助けてくれるの?くれないの?」
こんなに困った顔をする伊織を見るのは久しぶりかもしれない。そこだけは、斉藤に感謝でもしてやろうか。
ああ…可愛いな、伊織は。
正直、隣でプロレスでもするのかと(ある意味プロレスだけど)目を輝かしている佐々木はアテになんないし
伊織が助けてくれないなら、自力でどうにかするしか方法はないんだけど…今は全く抵抗できない状況だし。
「か、なで…」
どうすればいいのか困った末に、軽く半泣きになった顔で俺を見る伊織に…こんな状況なのにも関わらず、興奮してしまった。
困らせているのは俺なのに。
「なにお前。勃ってきてんじゃねぇか」
「お前のテクより、伊織の可愛い顔の方が何倍も効果あるよ。俺、全く気持ち良くないんだけど。このヘタクソ」
「てめぇ…」
こいつは単純だ。適当に煽る言葉を言えば、簡単に乗ってくる。
今度は俺の首元に顔を埋め、首に歯を立ててきて、そのままベルトを外し始めた。
そこで、少し眉尻を下げて伊織を見れば…ビク、として伊織は俺から視線を外せなくなる。
「伊織…」
そして最後に、泣きそうな声で名前を呼べば
「………っ!後でフォローしろよ!」
そう言って、やってくれるのが伊織の良いところだ。
斉藤の首根っこを後ろから掴んで、俺から引きはがすと、伊織は反抗する斉藤の鳩尾へ一発、拳を入れた。
「う…何だお前…」
思っていたよりも効いたのか、斉藤は驚いた顔をしていたが、俺にとっては想定内の事だから何も驚くことはない。
こいつは、地元では負けなしだったんだから。
「ありがとう、伊織」
「おう…」
外されたベルトを締め直せば、ここからは俺の仕事。
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