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ま、フォローはこの辺でいいだろう。
話もうまいこと逸らせたし、俺の役目はここまでか。
「あ!そうそう!俺さ、これ持ってきたんだよ!せっかく一緒の部屋になったんだし遊ぼうぜ!」
そう言って、ひと段落ついた頃に佐々木が持ってきたのは、ジェンガだった。
それも、ピンク色の。
どんな趣味してんだこいつ。
「これ罰ゲームジェンガって言ってな、引いたジェンガに書かれた指令をきかないといけないんだよ!」
「へぇ。面白そうだね」
「だろー?」
ニコニコ笑顔で会話をする2人を見てると、なんだか俺も笑顔になってくる。
爽やかになる、とかバカ丸出しのことを言ってた伊織だけど、こうやって1日に何度も
伊織の綺麗な笑顔が見れるのは、本当に良かったと思う。
勉強教えて良かった。
「でもこれ、LOVE編って書いてるよ?どういう内容なの?」
「パンツの色を教えるとか、簡単な指令!」
罰ゲームジェンガ、LOVE編。そういや前に、女がやろうって持ってきた気がする。
無視しまくってたから、内容は知らないが…
「何で俺までそんな茶番に付き合わなきゃなんねえんだよ。俺はパス」
そう言って、超不機嫌な斎藤が立ち上がって部屋を出ようとすると、ガシ、と佐々木が腕を掴んだ。
「人数は多い方がいいだろ!一緒にやろうぜ斎藤!」
「お前がヤらせてくれるってんなら、付き合ってやってもいいぜ」
「ん?うん!何処にでも付き合ってやるから!ほら、座れって!」
無邪気な笑顔を向ける佐々木を見ながら、どんどん伊織の顔が真っ青になっていくのが分かる。
心の中でご愁傷様。と呟いて…伊織の頭を優しく撫でた。
「大丈夫。佐々木はバカだから、何とかなる」
「それって何を根拠に言ってんの」
「根拠の無い自信」
はぁ、と溜め息を吐く伊織にニコリと微笑んで、ジェンガを積み上げる佐々木と、斎藤を見た。
斎藤が佐々木にのめり込めば…伊織に手を出さなくなるかも。
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