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「じゃあ始めるぞー!順番はじゃんけんで!じゃーんけーんほい!」
佐々木くんの取り仕切りで、ジェンガが始まってしまった。
俺はもうジェンガの事より、さっきの佐々木くんと斎藤くんの会話しか頭に無い。
佐々木くん絶対意味分かってないじゃん!ヤるって意味を全く理解してないじゃんか!
奏は楽しそうに笑ってたけど、俺にとってはもはや大事件の発端を見た気がするよ。
「じゃあ斎藤から!どこでも引けよ!」
佐々木くん何でそんなにテンション高いの?バカすぎるよね?
とか、そんな俺の気持ちも知らず…斎藤くんは1つ目のジェンガを抜き取った。
ピンクのジェンガと、白のジェンガで積み上げられてある。
そして斎藤くんが何の躊躇いも無く白のジェンガを抜き取った。
1個目なのにグラグラ揺れるくらい乱暴に抜くのやめてくれよ!
「ほら、指令は!」
「好きな異性のタイプを発表する」
「おお!気になる気になる!斎藤ってどんな子がタイプなの?」
超盛り上がってんですけど…俺との差が半端ないんですけど…。
まあでも、LOVE編って書いてた通り、そういう感じのジェンガなんだってことは分かった。
たいした内容じゃない。
そして、ソワソワしまくってるはずなのに、俺もちょっぴり斎藤くんのタイプが気になる。
全員の視線が斎藤くんに集まる中、手に取ったジェンガを見ながら口を開いた
「女は…マグロ」
「え!何それ!魚顔が好きってこと?斎藤変わってんなー!」
え、違うと思うよ佐々木くん。
しかも意味が分かってしまったこっちとしては、何をいきなりド下ネタ放り込んでんだよって思う。
斎藤くん根は良い人なはずなのに!やっぱり首元にいつも消えずに残ってるキスマークはだてじゃないってか!
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