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真白学園2年A組、俺のクラス。
もちろん、男だけの…悲しいクラス。
「今日は委員を決めていくぞー」
まだ誰もクラス全員の名前を覚えている奴はいないと思う。
それくらいの時期にある、クラス役員を決める時間。
俺は1年の時に一緒のクラスだった奴も、仲良くなった奴もいるから…本当にごく一部しか知らない奴はいないんだけどね。
役員を何にしようか、と考えていた矢先…突然、クラスメイトの1人が手を挙げて立ち上がると
「あの!僕、市川くんを委員長に推薦したいと思います!」
と、なんと俺を推薦しだした。
これ立候補式じゃなかったの…?
そのクラスメイトに続いて、俺を推薦したいという声が続々と上がっていく。
しまった…女の子に対してだけ爽やかでいるべきだった…
男からの好感なんか貰っても何にも嬉しくねーんだけど…!!
「市川くんは素敵で、優しくて…僕みたいな地味な奴にも変わらず、平等に接してくれるんです!」
だ、か、ら…!男からそんな言葉を貰っても嬉しくないんだってば!
今、物凄く怒鳴り散らしたい気分だけど…ここで爽やかキャラを崩して女の子にバラされたら
それこそこれから先、オアシスが無くなる…!
だから
「どうする市川。委員長、やってみるか?」
「あ、はい!皆の気持ちに答えれる様に頑張りますね」
そう、先生の言葉に笑顔で答えるしか無かった。
泣きそう。
「伊織のそれ、損な性格だな。爽やかなんか止めれば?」
「何も言うな…!」
後ろから楽しそうに話しかけてくる奏に、両手で顔を多いながら首を振って返事を返す。
それからも着々と役員が決まっていき…半分くらいが過ぎた頃、ガラガラ…と教室のドアが開いた。
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