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「問題児を演じれば、あいつは俺の相手をしてくれる。俺はただ一緒に居れればいいんだよ…」
なにそれピュア。
斎藤くんの気持ちはよく分かんないけど、とにかくピュアだってことは分かった。
「でも、それとこれとは別だよ。ちょっとずつでいいから…教室においでよ」
「しつこいなお前…」
「いひゃい」
つねられた。
どうやら斎藤くんは古川先生にマジらしい。
これ以上言ったら殴られそうだからもう何も言わないようにします。
それから、無言になって…いつの間にか寝ていた俺が目覚めたのは、次の日の朝のことで。
「伊織。俺に目玉をくり抜かれるのと、四肢を曲がらない方向に曲げられるの…どっちがいい?」
という…寒気がするほど冷たい声を出した奏に、ミゾオチをワンパンされて起こされた。
「ねえ、早く。選んでよ、伊織」
「…ひぃっ!」
斎藤くん?そんなの、聞くまでもないよ。床で寝てる。
神様仏様お母様。
俺の命は、ここまでなのでしょうか…?どうか、どうか助けてください。
「伊織、聞いてる?早く選んでよ」
「すみませんもうしませんから許してください」
「じゃあそれなりの態度があるよね」
…………………恐怖。
これが…これが恐怖ってやつなのかぁ!
怖いぜ!
その後…土下座して地面に顔を擦り付けまくったら許してくれました。
斎藤くんと佐々木くんが寝てたから出来た究極奥儀。
土下座ってすごいね。
自分の中の何かを失った気分になれるすごい技だったよ。
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