修学旅行

25/30

1993人が本棚に入れています
本棚に追加
/480ページ
USJではなく俺で楽しみ出した奏を軽く睨みながら…今度はジョーズに乗った。 これ、乗ってるだけだから素晴らしい。酔わない、怖くない。 「なあ奏!俺さ、これが欲しかったんだよ。一緒に付けない?」 そしてなにより、USJで1番楽しみにしてたのはグッズ。 ジョーズのやつが1番、男が付けててもまぁまぁ理解出来るデザインなのだ。 カチューシャがジョーズの口になってて、それを付けるとジョーズに頭を食べられるっていうデザイン。 「目…キラキラし過ぎ」 「え?だってこういうとこ来たらパークに染まるのが決まりだろ!?」 そう言って笑うと、奏はわざとらしく溜め息を吐いてカチューシャを2つ手に取った。 そしてレジへ。 支払いを済ませて無言でカチューシャを付けた奏は、これでいい?って俺にも付けてくれた。 「…最高っす!これで2人ともUSJに染まったね!」 「伊織が喜ぶことなら何でもしてあげるよ」 「ホントに?じゃあ次はスパイダーマンに乗りたい!」 奏の手を引いて、最初に見て回った時に覚えたスパイダーマンの場所まで早歩きで向かった。 そういえば…って、カチューシャの代金を返そうとすると、これは奢りだからって断られた。 男前すぎる。 奏は奏で、女の子と回るのを阻止したことを少し悪く思っているらしい。 まあ、その気持ちはものすごーくあったけど…奏と回るのも楽しいからいいのに。 何か関係は別の方へ向き始めてるけど、やっぱり親友と一緒に居て楽しくないワケがない。 「よし!スパイダーマン乗ったら奏の乗りたいものに乗ろう!」 「ハリウッドドリーム」 「絶叫マシンは却下します!」
/480ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1993人が本棚に入れています
本棚に追加