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それからは、いろんな乗り物に乗った。絶叫マシン以外。
奏も今日は笑顔の出現率が高いから…けっこう楽しんでいるんだと思う。
アトラクションに乗るまでの待ち時間があるから、ほんの5、6個くらいの乗り物を乗るのに丸1日使っちゃったけど
それでも始めてのUSJはものすごーく、楽しかった。
偶然同じアトラクションに並んでた女の子と喋りまくってた時は、さりげなく足を全力で踏まれたりもしたけど。
いやぁ…あの時は泣きそうになった。
「早いなぁ…もう帰らなきゃいけない時間になっちゃったね」
「あっという間だったな」
俺の言葉に珍しく共感してくれた奏に、心の中でだけ感動しつつ…
USJを出て、駅前の集合地点へと向かった。
そこへ行くと、駅の壁にもたれて寝てる斎藤くんが居た。
隣には、介抱してあげてるのか…保険医の古川先生も。
古川先生は、斎藤くんの好きな人。
今回は修学旅行に一緒に来てくれたみたいで…斎藤くんはずっと古川先生と一緒に居たのかな?
問題児を演じれば、かまってくれる的な事を言ってた気がするし…
にしても、駅で寝ちゃダメだよ斎藤くん。お家が無い人みたいじゃないか。
見たところ顔色は悪くないし…本当に、迷惑をかけまくって一緒に居るんだろう。
「それ以上斎藤を見たら目潰しの刑」
「すみません何も見てないです」
相変わらず、斎藤くんが絡むと奏はホラー野郎になっちゃうのがマジで辛い。
今日はこのまま別のホテルに移って、明日は市内を巡り、そのまま帰る…ってことになっている。
結局は初日だけ社会科見学的な感じで、他の2日間は遊び呆ける感じだ。
「なぁ、奏。明日はどこ行く?取り敢えずたこ焼きは食べておきたい!」
「どこでも。伊織の好きな所に行こ」
明日ももちろん、奏と行動を共にする。女の子の話題なんて出せません。
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