修学旅行

26/30

1993人が本棚に入れています
本棚に追加
/480ページ
それからは、いろんな乗り物に乗った。絶叫マシン以外。 奏も今日は笑顔の出現率が高いから…けっこう楽しんでいるんだと思う。 アトラクションに乗るまでの待ち時間があるから、ほんの5、6個くらいの乗り物を乗るのに丸1日使っちゃったけど それでも始めてのUSJはものすごーく、楽しかった。 偶然同じアトラクションに並んでた女の子と喋りまくってた時は、さりげなく足を全力で踏まれたりもしたけど。 いやぁ…あの時は泣きそうになった。 「早いなぁ…もう帰らなきゃいけない時間になっちゃったね」 「あっという間だったな」 俺の言葉に珍しく共感してくれた奏に、心の中でだけ感動しつつ… USJを出て、駅前の集合地点へと向かった。 そこへ行くと、駅の壁にもたれて寝てる斎藤くんが居た。 隣には、介抱してあげてるのか…保険医の古川先生も。 古川先生は、斎藤くんの好きな人。 今回は修学旅行に一緒に来てくれたみたいで…斎藤くんはずっと古川先生と一緒に居たのかな? 問題児を演じれば、かまってくれる的な事を言ってた気がするし… にしても、駅で寝ちゃダメだよ斎藤くん。お家が無い人みたいじゃないか。 見たところ顔色は悪くないし…本当に、迷惑をかけまくって一緒に居るんだろう。 「それ以上斎藤を見たら目潰しの刑」 「すみません何も見てないです」 相変わらず、斎藤くんが絡むと奏はホラー野郎になっちゃうのがマジで辛い。 今日はこのまま別のホテルに移って、明日は市内を巡り、そのまま帰る…ってことになっている。 結局は初日だけ社会科見学的な感じで、他の2日間は遊び呆ける感じだ。 「なぁ、奏。明日はどこ行く?取り敢えずたこ焼きは食べておきたい!」 「どこでも。伊織の好きな所に行こ」 明日ももちろん、奏と行動を共にする。女の子の話題なんて出せません。
/480ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1993人が本棚に入れています
本棚に追加