真白学園2年A組

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「斎藤ー。もう学校終わるぞ?」 「………………」 遅刻…というより、6時間目ももうあと半分という時間に登校してきたのは不良くん。 金髪金目のツンツンヘア。 斎藤 近春(さいとう ちかはる)という、学園1の問題児。ちなみに、1年の時もクラスが一緒だった。 斎藤くんには、悪い噂がいろいろある。 でも、そんな噂が立つのも仕方の無いことなのかもしれない。 だって、第3ボタンまで開けられたシャツから見える場所に…キスマーク。 それも、いっぱい。 節操なしとよく言われています。 羨ましすぎるだろ…俺も女の子を転がしまくりたい!大量の女の子にイタズラしたい! でも、爽やかはそんな事しない…。 先生の言葉を無視して、斎藤くんは俺の隣の席へと座る。 窓際1番後ろが奏の席で、その前が俺。そして俺の隣が不良くんの席。 ボン、と鞄を机の上に起き、それを枕に寝てしまった。 何の為に学校来てるんだろ…とかは、毎回思う。いつ見ても、授業を受けてるとこなんか見たこと無いし 授業中に教室に居ることが珍しい。 いつも出席だけして、授業はサボってることが多いし。 「まるで昔の伊織みたいだな」 「………俺、授業は受けてたもん」 「授業中にいきなり殴り合いの喧嘩とかしてたのに?」 「…………………」 奏の言葉に、思わず黙り込んでしまった…。 違うんだ。アレは違うんだよ。 突然あいつが突っかかってきたんだ。俺は喧嘩を買っただけなんだよ。 完膚無きまでにぶちのめした後には、もう遅かった。やっちまったと思ったけど遅かったんだ。 あの後は木刀持ったゴリラみたいな先生に、めちゃくちゃ怒られた記憶がある。 「お願いだからバラさないでね」 「帰りにジュース奢って」 これが…これが世間でいうイジメというやつか!そうなのか! 弱味って握られると本当に言いなりになっちゃうんだから怖い。
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