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レポートがどうしても書けなくて、頭が痛くなった。
そういえば、最近レポートのことばかり考えて…眠ってなかったな。
「少し横になるか」
気持ち良さそうにスヤスヤと寝ている陸を端に寄せて、俺も隣に寝転んだ。
どうせ、眠れないだろう。
俺は隣に人が居ると寝れないから。
そう思っていたのに…気が付けば瞼を閉じて、夢を見ていた。
俺が人の愛し方を知らないのは…子供の頃に、母に捨てられたからだろうか。
父親は顔すら知らない。
人に愛された事がないから、俺は愛し方を知らないのだろうか。
母に捨てられたトラウマから、俺は人に関わりを持つのをやめた。
どうせ、いつか居なくなってしまう存在なのだから…と。
この夢を見た時は、必ずと言っていい程…涙を流している。
もう悲しいという感情すらないのに。
シーツが濡れて…その感触が気持ち悪くて、いつも目が覚める。
目を開けた瞬間、目に入る窓の外の景色を見て…毎回ため息を吐いていた。
なのに、今日は違った。
「何してるの、陸」
「あ、起きたー?」
お互い裸で、俺は足を開いている。
何回かした後なのか、自分の中から陸のものが流れてるのが分かる。
体にも、顔にも、陸のが付いてて。
ベタベタして気持ち悪い。
「絶倫なのは構わないけど、何でこうなってるの」
「鉄壁の防御だったコタちゃんが無防備だったら襲うでしょ!」
「ああ、そう」
どうでもいいけど、痛い。
俺がまさか陸の隣で寝るなんて思ってなかったから、この展開は予想してなかったな。
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