飼い主の虎太郎くん。

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「ねえコタちゃん。気持ち良い?」 「それなりに」 「何それ可愛くない」 正直に言ったのに、何故か怒らせてしまったみたいだ。 だからって激しく振られても、痛みが増すだけなんだけど。 「おかしいなぁ。ここ、気持ち良い場所のはずなんだけど」 「うん。そこが1番気持ち良い」 「じゃあもっと可愛く喘いでよ!」 って言われても。 頭の中で、家庭科準備室でBGMにしてた淫乱野郎の喘ぎ声を思い出してみたけど 多分、俺からそういう声は出ないと思う。 「声聞くとね、興奮するんだよ。盛り上がるんだよ!愛し合ってるなぁ…って実感出来るんだよ!?」 「愛し…合ってる?」 「そう!」 俺は陸のことを愛していないのに…それでも、愛し合ってるって思えるものなのか? そう言うと、分かってないなぁ…とため息を吐いた。 「今、俺の息子は超喜んでる!ほら、コタちゃんのも!ってことは、少なくとも体はお互いを求めてるってこと!」 気持ちもついてこれば、イコールそれはイイ声を出すってことだよ。と真顔で力説する陸。 それなら俺は…体は陸を求めてるけど、気持ちが着いてきてないってことなのか。 「俺が声を出せば、愛し合ってるって実感が出来るのか?」 「うん!」 「なら、逆も同じだよな」 「うん?何が…って、うわぁ!」 俺は多分、出ない。 だったら…陸が可愛く喘いでくれれば、俺が愛し合ってるって実感出来るってことだよな。 「陸が声出してよ。そうすれば、何も問題無いだろ」 「えっ、ちょ、何、そうだけど…そうじゃないってば!」 無理やり引っこ抜いて、逆にした。 陸を組み敷いて…。 何度か陸がやってるのを見たのをマネして、慣らして。 「俺に…愛を、愛し方を教えて」 その実感さえ出来れば あのレポートを書けるかもしれないから。
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