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「なに、コタちゃんポンコツなの?」
「うん。人間味が無いらしい」
「そうかなぁー?俺の方がポンコツだと思うけど…先生に見捨てられてるし」
「それは陸が馬鹿力だからだよ。誰も止められないから」
先生、陸に何かされるかもしれないから…って、近付かないようにしてるみたいだし。
陸に自分から近付いていくのは、俺か…陸に抱いてほしいって人くらいだ。
「あ、あれかも。俺とコタちゃんはポンコツじゃん?でさ、俺とコタちゃんの性格…考えてみて!」
自分のことを簡単にポンコツだという陸も、ポンコツと言われて怒らない俺も
多分、おかしいよね。
早く早く!と答えを急かしてくる陸に、思い付いた事をそのまま返した。
「陸は自分に忠実。俺は無関心。陸は愛を知ってるけど、俺は知らない」
こうやって口にすると…俺達は真逆の性格をしているのかも。
「そう!正解です!と、いうことは!」
「どういうこと?」
「不真面目の反対が真面目、良い人の反対が悪い人とは限らないってことだよ!」
ものすごく自信満々で言ってくるけど、俺にはあまり伝わってないよ…陸。
「やっぱ行き過ぎた性格だとさ、その真逆の性格も行き過ぎた性格だから、ポンコツなんだ」
真面目過ぎる人は取っ付きにくいし、不真面目過ぎる人には誰も寄ってこない。
そう言った陸が俺に何を伝えたかったのかは全く分からないけど
「慰めてくれてるの?」
「うん!だって、俺コタちゃんのこと大好きだもん」
そういうことらしい。
別に落ち込んでたワケじゃなくて…ただ、欠陥品だと言われた過去の話をしただけのつもりだったんだけど…
陸は、優しい。
「いい子だね、陸」
頭を撫でてあげると、陸は嬉しそうにふにゃっと笑った。
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