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あんなに可愛らしく笑っていた陸の顔がズーン…と暗くなったのは、それから1か月程経ったある日。
「コタちゃん…コタちゃーん!」
「どうしたの」
泣きそうな顔をしながら陸が走ってきて…そのまま物凄い勢いで抱きついて来た。
次の授業の準備をするために、カバンから教科書とノートを出していたところだったから…バサバサと落ちてしまった。
「コタちゃん…コタちゃん…俺、もう無理…!」
「うん、意味分かんないから理由を話して。あと、この手は何?」
抱きついたまま、弱音を吐いているのはいいんだけど。何で俺は制服を脱がされいるんだろうか。
女の子の居ないクラスだから大丈夫…ってワケでもない。今は休憩時間だから、女の子の姿もちらほら見える。
さっきも、授業が終わって早々…知らない女の子に告白されたばっかりで。いつもと同じように泣かれてしまったところだった。
しかも本当に断ったばっかりだから、酷いとか言いながら…目の前で泣いていたところなんだけど。
その子を無視して準備してた俺も俺だけど、あまりの光景に…泣き止んじゃったよ?
「な、に…してるんですか」
「さあ?俺が聞きたい」
何でこいつは俺の胸を弄ってるんだろう。
舐めながらベルトを外してくるところを察するに…ここでヤろうとしてるってのは分かるんだけどね。
「ねえ、陸。どうしたの」
「俺が…俺が…我慢できると思ってんの!?」
「ごめん、何の話なのか…本当に分かんない」
いつもは俺以外の相手で遊ぶくせに、何故今回のターゲットは俺になったんだろう。しかも半泣きで襲うってどういうシチュエーション?
取りあえず、ここで露出魔扱いされるのも困るから…陸の腕を掴んで無理やり動きを封じた。
俺にとっては貧弱な陸。
これで馬鹿力だってことは…その更に上をいく俺は何なんだろう。
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