飼い主の虎太郎くん。

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「でも、陸がちゃんと我慢すれば退学させられないよ」 「うぅー」 涙目で唸っても、俺には何も伝わらない。 まぁ…言いたいことは分かるけど。 「我慢出来ないの」 「当たり前じゃん!俺の意思と関係なく体が動いちゃうんだもん!」 陸と寝たい、って思う人はたくさん居る。だから、同意の上なら…まぁ、多分、問題にならない。 でも。 「学校の敷地内でするから怒られるんだよ。外に出ないと」 そうすれば大丈夫だろ?と陸に問いかけると、両肩を掴まれて前後にブンブン揺さぶられた… どうやら気に食わないらしい。 うん、そこまで我慢できる理性を持ち合わせていないことは分かってるけどね。 「目の前に餌があるのに我慢するなんて…!その子に失礼だよ!その場で食べないと!」 「…うん、そうだね」 陸に残された選択肢は、退学になるか、自主退学するかの2択だけだと思う。 学校で何もしなきゃいいのに。問題を起こさずに卒業するなんて…この世のほとんどの学生が難なくしていることだ。 むしろ、問題を起こす人の方が少ない。 「じゃあ…最後に陸の1番大好きな人と寝て、悔いなく退学する?」 「…………あ、それいいかも」 てっきり、1人に決められるワケないじゃん!て返ってくると思ったのに。 やっと陸にも好きな人が出来たのか。
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