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「コタちゃんがさ、ずっと俺と一緒に居てくれればいいんだよ!」
「う、ん?」
なに。それは俺が好きってこと?絶対違うよね、物凄くキラキラしてるし。
超いい考えだ!ってテンション上がってるところ悪いんだけど。
俺が陸とずっと一緒に…それって、授業とか抜け出して遊んでる陸と一緒に居ろってこと?
逆ならいいんだけど。
「コタちゃんが俺の側に居てくれれば、俺は問題を起こさなくて済む!」
「うん」
「コタちゃんが一緒に寝てくれれば、何の問題もないはずだよね!」
「うん?」
俺は、最後に好きな人と寝れば?って言ったはずなんだけど…。
「陸。何か勘違いしてない?俺は、好きな人と寝て、さっさと退学しろって言ったんだけど」
「え…………」
言い方を悪くしたら、そういう意味だよね。ちょっとキツイ言い方になっちゃったけど。
肩に乗せたままだった手を…力なくポトリと落とした陸は、我慢出来なくなったのか
子供みたいに両目を擦りながらワンワン泣き出した。
本当に、小さな子供みたいに。
せっかくの休み時間だったっていうのに…陸が泣くから、教室が物凄く静かになった。
泣いてる顔もやっぱり整ってて…醜くなるどころか、薄っすらと目元が赤くなっているところに色気を感じる。
潤んだ唇、濡れた瞳、赤い目元。
「嘘だよ。でもね、陸。俺は授業を抜け出さないから…陸が俺と一緒に居てよ」
授業中は、俺の側に。
それ以外の時間は、俺が陸の側に居てあげるから。
そう言ったら、不服そうにしながらもコクリと頷いた。
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