修学旅行

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「じゃなくて!市川!俺あんまし前田とも斎藤とも仲良くないからさ、一緒に遊ぼうぜ!」 「え……」 せっかく魔の恐怖から解放されると思ったのに…佐々木くんの頭の中は奏達と遊ぶことでいっぱいらしい。 いや、いつかは部屋に戻らなきゃならないんだけどね…! 無理だって!無理無理! ブーブークッションでイタズラされたばっかで怒り狂ってる斎藤くんと これから怒り狂うであろう奏様の部屋に行けって言うのかよ! 死ぬよ!佐々木くんに死亡フラグしか立ってないよ! それを黙って見守れるならまだマシだけど、絶対奏は俺に何か仕返ししてくるって! 「じゃーな!また明日USJで遊ぼ!ばいばーい!」 「ちょっと佐々木くん、引っ張らないで…!」 マジで引っ張らないでお願いだから…! まだ心の準備が出来てないんだってば! ________________________ 「…もっぺん言ってみろ」 「オナラ野郎」 「そうか、そんなにヤられたいのか」 荷物を起きに来て、何でこうなったのか。全く覚えてないけど、ずっと言い合いをしてる気がする。 気付けば伊織が居なくなってるし、こんなヤリチン不良野郎に使う時間なんて無いんだけど どうしてもこいつに対しての苛立ちが止められない。 どれだけ言い合いをしていたか分からないくらい、時間が経った頃 突然、同室の佐々木が部屋にやって来て…斎藤の近くにあった椅子に風船みたいなものを置いていった。 佐々木は口元に人差し指を当てて、秘密だとジェスチャーしたが…元々こんな奴に教える義理は無い。 部屋の隅に隠れた佐々木を視界に置きながら、そのまま斎藤と言い合いをしていると 斎藤が椅子に座った。 途端に鳴る、汚い音。 これが、今の言い合いの内容の発端。
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