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思わずバックミラー越しにタクシーの運転手に見られてないか確認していた。
そんな私に構うことなく、裕はもう一度ゆっくりと顔を近づけてくる。
えっ・・・ちょ、ちょっと…。
唇が触れる瞬間
裕の口元にスーッと片手を当てた。
「タ、タクシーだし…今はやめてよ…」
小声で耳元へ呟いた私に、首をかしげてる裕。
「今は?…あぁ…じゃぁ後でな」
そう言って、私の頭はストンっとまた裕の肩に戻された。
私より、一歩も二歩も余裕な裕が憎たらしい。
相変わらずドンドンドンって響く鼓動は止まることを知らなくて、
裕の家に着くまでそのまま動くこともできなかった。
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