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近くのラーメン屋で食事をし、日が隠れた後私は再び桜子の家に行った。
桜子「あ、いらっしゃい優子。待ってて、今お茶を出すから」
桜子の出したお茶をすする。
桜子「……さっきはごめんね?変なとこ見せちゃって…」
優子「いいわよ、別に気にしてないから」
桜子「…お父さんね?工場が借金の担保で取られるまでは真面目で優しかったの。なのに…」
優子「…うん、大丈夫。なんか分かってたから。お父さん、桜子と同じ顔してたよ?」
追い詰められて、自暴自棄になってしまったのだと思った。
優子「ねぇ桜子?『パチンコ勝負』って、具体的にはどんな勝負なの?」
桜子「えっ?うん、私も詳しくは知らないんだけど…なんでも制限時間内に多くの玉を出したら勝ちなんだって」
パチンコなんてやったこともない私が、本当にできるものだろうか?
優子「成る程ね。勝負の日はいつなの?」
桜子「明日の朝、駅前の『銀玉会館』で行われるわ」
明日の朝って…本当にぶっつけ本番だ…
優子「うーん、心配になってきた…」
桜子「そうだよね…でも、無理はしなくていいからね?勝負を引き受けてくれただけで…私すごく感謝してるから」
桜子はにこりと笑う。
……自信は全くない。
できるなら降りたい。
でも、乗り掛かった船だから…なんとかして勝ってあげたいな…
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