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席に着き、暫くして一番の仲良しが教室に入ってくる。
「あ、もっちゃんおはよう」
もっちゃんと呼ばれた女の子は、ちらりと目線をこちらへ向けるとそのまま席に着いた。
あたしはいつも通り駆け寄る。
「……おはよう」
メガネの向こう側。
その目からは冷静沈着のオーラがバシバシ伝わってくる。
「もっちゃん、今日もツインテール似合ってるねっ!」
「……そんなことはない。ひまちゃんだってその髪の毛の埃、似合ってる。可愛いじゃない」
「ゴミじゃんっ! これゴミじゃんっ!」
普段はあたしも大人しい。
よく周りからは〝落ち着いてる〟とか〝静か〟とか言われる。
実際、このツッコミも慣れていない。
「……ひまちゃん」
「なに」
「……一時間目、エラ呼吸の授業だっけ?」
「魚じゃんっ! それ魚じゃんっ!」
そんな感じで、二人の一ページ小説が始まりを迎えます。
そして、
今二人だけかよって思った奴。
言った奴でも良い。
ペットボトルのキャップを頭に乗せてこの小説を読むこと。
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