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眉間に皺を寄せ無言で進む
土方に頼まれ意識のない万里を抱えて
―…しかし、やけに軽い…
もしや食事も出来ぬような貧しい暮らしを?
それならば此処に来たのも頷ける
一人問答する間に空いてる部屋に着いた
む。どのようにして布団を出せば……
仕方ない、すまんが少しの我慢だ
抱き抱えていた万里を『ヒョイ』と肩に担ぐ
「ぐぇ」
蛙が潰れたような声が聞こえたが、気にせず押し入れから布団を出し、そこに万里をそっと下ろせば傍らに座り食い入るように眺めた
「………」
やはり―…
息が荒い
喉元を触れば自分よりも遥かに熱い
だが……
『目を覚ますまでついててやって欲しい』
そう、言われた
敬愛する副長に
よってこの場を離れるわけにはいかず
ただ、ひたすら万里が目覚めるのを待った
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