第1章 -願い叶う-

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お互いに動かず様子を見る 一瞬の油断が命取りのこの時代 気を抜くことは許されない だが、これ以上睨み合っていても埒が明かず―… 万里は小さく息を吸い、勢いよく床を蹴った   ダンッ 瞬時に間合いを詰め、振り下ろされる木刀 だが、そこには人影なく―…   ヒュ 「はい、私の勝ちですね」  コン 「あいた」 背後から緩やかに落とされた木刀は万里の頭を打つ 振り返れば先程と同じ愛嬌のある笑み …なんだろ、負けたのに何故か悔しくない つられてフニャリ、と笑えば何故か赤面された 「ひじっ、ひじきゃたさんっ…この方は合格ですね!」 お?何故にカミカミ? しかもソッコー距離を取られるとか… まさかの自分、臭い!? フンフンと自分を嗅ぐ うん、バッチリフローラル 満足気に顔を上げれば―… おぉぅ……囲まれた… ぐっは…鼻血出そう……
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