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お互いに動かず様子を見る
一瞬の油断が命取りのこの時代
気を抜くことは許されない
だが、これ以上睨み合っていても埒が明かず―…
万里は小さく息を吸い、勢いよく床を蹴った
ダンッ
瞬時に間合いを詰め、振り下ろされる木刀
だが、そこには人影なく―…
ヒュ
「はい、私の勝ちですね」
コン
「あいた」
背後から緩やかに落とされた木刀は万里の頭を打つ
振り返れば先程と同じ愛嬌のある笑み
…なんだろ、負けたのに何故か悔しくない
つられてフニャリ、と笑えば何故か赤面された
「ひじっ、ひじきゃたさんっ…この方は合格ですね!」
お?何故にカミカミ?
しかもソッコー距離を取られるとか…
まさかの自分、臭い!?
フンフンと自分を嗅ぐ
うん、バッチリフローラル
満足気に顔を上げれば―…
おぉぅ……囲まれた…
ぐっは…鼻血出そう……
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