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大切な人がいなくなりました
2年前のことです
大事な人ができました
同じく2年前のことです
あの日…
自分の命と引き替えに彼女が残してくれた大切な娘
律花(リツカ)と名付けました
名付け親は彼女です
彼女と同じ名前です
これには理由があるそうです
母親と同じ名前のせいかこの子は彼女の幼い頃にそっくりだそうです
写真を見せてもらってボク自身もそう感じました
芸能人なんかでも親御さんとそっくりな人がいますよね?
そんな感じであまりにも彼女に似すぎてて
「おれのDNAどこいってん?」
とツッコミを入れたくなるレベルです
それに加えて彼女と同じ名前なので、お義父さんに 「君は私達に何か恨みでもあるのかね?」 と軽く怒られたり… (訳を話しても納得しきれない感じでした)
今日は律花の誕生日で、ちょうど日曜日で仕事も休みということで彼女の実家に来ています
まぁ、家も近いし男手一人なのでしょっちゅうお邪魔しているのですが… (というか娘の面倒はほとんど任せっきりです)
この日は本当に楽しかった… みんな笑顔で、娘も嬉しそうだった…
でもこの日を境に変わった
彼女が自分の娘にしたこと
自身の名前を付けた本当の理由…
この時のボクは何も知らなかった
「女:だめ…かなぁ?」
「男:だめじゃない…けど…何で自分の名前なんか… 」
「女:そうしたら…ずっと一緒にいられる気がして… 」
「男:…」
「女:私…死んじゃうでしょ?」
「男:死んだりしないさ!!リツカは!!」
「女:…」
「男:…良いよ」
「女:え?」
「男:その名前で良いよ」
「男:そのかわり…」
「女:うん…」
「男:娘を自分の名前で呼ぶ、恐ろしく滑稽な毎日がやってくるけどそれで良いんだな!」
「女:・・・うん♪」
… またあの日の夢だ…
あの時、ボクは毎日の様に彼女の入院している病室に泊まっていた
それを初めて拒まれた日の夢…
「女:今日は疲れたから一人で眠りたいな」
「男:そっか…わかった」
あの日、彼女はどんな気持ちでいたんだろう?
入院してからずっと泣いてばかりいた彼女を1人にする事が出来なくて、病室にほぼ毎晩泊まることになった
これからのこと
「退院したらどこに行こうか?」って毎日話した
一瞬でも辛いことが忘れられる様に割と詳細に
その日の起きる時間、バスに乗る時間、電車に乗る時間ネットで調べながら細かく計画を立てた
結果…
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