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第一章「Rio」
お兄ちゃんの大切な人が亡くなったらしい。大切な人の大切な人がなくなるということの辛さを始めて思い知った。お兄ちゃんは暗くて悲しそうな顔をしていた。
「行ってきます…」
お兄ちゃんは小さな声で言った。
『いってらっしゃい』
リオはいつものように笑顔で言った。扉が閉まると、突然睡魔に襲われてリオの部屋のベットに入った。
ーー叫び声がする…
ーー誰…?
ーーお兄ちゃんじゃない…?
「…リオ、」
お兄ちゃんの小さな声でリオは目を覚ました。
『お兄ちゃん…?』
お兄ちゃんはリオの机に置かれた写真をじっと見つめていた。そして、リオのほうを見ると悔しそうに唇をかんで部屋から出て行った。
時計を見るともう日付は変わっている。
ーーギィ・・・
玄関の扉が開く音がする。こんな時間に出ていくなんて…、心配になってリオはお兄ちゃんについていくことにした。
お兄ちゃんが向かったのはいつも通学に使っていた駅だった。
リオとお兄ちゃんは毎日一緒に通学していた。
お兄ちゃんは駅のホームにあるベンチに座るとうつむいた。
「リオ…、」
『なぁに?』
「俺は…依存していたのかもしれない…」
『依存…?』
お兄ちゃんの様子がおかしい…
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