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愛しい存在の声が聞こえたような気がして
少女は、ゆっくりと顔を上げた
そこには
懐かしい浅葱色の羽織を纏った
かつての、仲間達の姿
「み、んな…」
涙が溢れて止まらない
「総、司…さ、ん」
近づいてきた人物の名を呼ぶ
何よりも
愛しい存在の名を
「もう、いいの?」
「はい…みんなの、傍に…行きたい、です」
差し出された腕に縋りついて
連れて行ってと懇願する
そんな少女を彼は、そっと抱き寄せた
「おかえり。悠輝」
「ただいまです。―――…っ総司さん」
少女は幸せそうに
彼は少し悲しそうに
微笑んだ
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