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僕には
生まれた頃から生まれる前の記憶がある。
前世と言うものの記憶。
僕の周りには前世の仲間で溢れていた。
大切な人。
僕を変えてくれた人。
でも
一番大切な
愛しい
君が、僕の隣にはいなかった。
『総司さん』
優しく笑って僕の名前を呼ぶ君の声が好き。
『好きです。愛してます』
少し照れながら紡がれる愛の言葉が好き。
僕を形作っていたのは君だった。
でも今では僕らが分かち合ったあの全ての抱擁や悪戯は、消えた夢と呼ぶんだね 。
あの日君を置いていったのは僕なのに
君を独りにしたのは僕なのに
僕は今、こんなにも独りが怖いんだ。
あぁ、そうか
君はこんな気持ちであの時を過ごしていたんだね。
「沖浦先輩っおはようございますっ」
「おはよう。悠ちゃん」
あの日と同じ様に君は笑う。
君はこんなにも彼女の面影を残しているのに
今の君の中に僕は居ない。
あの日々は存在してない。
それでも
by my side
今 僕は幸せだって知ってる 。
君が此処に僕と一緒に居るから
「君」は僕に本当に必要なの。
だって それ以外の事は。
僕には何の意味も無いから。
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