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「…“流~星。そっちに早く慣れてね。でも、あゆは…流星に会いたいよ。バイバイ”…ねぇ」
「彼女」
…彼女かぁ。
そりゃあそうだよ。だって流星、凄く大人っぽくなってるもん。
「おめでとう流星。かっこ良くなってるもんね。てか、彼女がいるのに私を抱いても良かったの?」
「…分からない。けど…美月も見ないうちに綺麗になったじゃん」
キモい。
私、綺麗じゃないし。
流星はね…私の知ってる流星は、そんな事言わない。
キモい。
「…彼氏とかいるんじゃないの?」
…本当にキモい。
私は、流星が好きなのに。
「7月7日の誕生日が来て、彼氏がいない歴16年になりました。…てか、さっきも言った」
「………」
黙らないで欲しい。
「彼女さんの事、大切にしてあげてください」
思ってもない事を言う私。
はぁ…ダメだ。
腹黒い自分が出てくる。
そんな自分に嫌気がさす。
「どうして敬語なの?」
私は家の扉を思い切り閉めて、部屋に駆け込んだ。
…普通の子なら泣くのかもしれないけど、私は泣かない。
…てか、泣きたくない。
「あぁーーーーー」
こういう時は大声を出した方がスッキリするんだ。
「…今日…絶対家から出ない」
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