利用価値

10/10
前へ
/35ページ
次へ
「とにかく早く 元に戻る方法を見つけねーとな」 「まだ、いいじゃないか」 しれっとした顔で 佐条くんが言った 「はぁ?! お前はこのままで いたいっつーのかよ 冗談じゃねーよ 俺の身体返せ」 ムキになって有宮くんが言った 佐条くんは 涼しい顔のままで笑う 「お前の姿でいるのは 不愉快だが この姿でいて 利用できることが いろいろありそうだからね」 くす、と笑う佐条くんが 一瞬怖かったのは ヤンキーの姿だからという 理由ではなかった 「何考えてんだよ…!!」 有宮くんも何かを 感じ取り 焦った様子で言った 「まぁ 聞きなよ お前だって損はしないさ」 佐条くんは 不敵な笑みを浮かべていた
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加