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2杯目のワインを頼んでいる間に、暗かった照明がだんだんと明るくなっていく。新郎新婦は入場し終わったようで、拍手がゆっくりと止んでいった。
「……何てこと言うと!あのユカリちゃんの結婚式……」
「だーから、ユカリちゃんユカリちゃん言われても、わたしよう知らんし。
……やっぱり外で待ってるよ」
「いいから、お願い、座っとって!お酒飲んでいいから!」
テーブルに隠れて、左太ももをぱしんとたたかれた。じろりとにらんで見ても、母の目線は花嫁に釘づけで、実の娘はどうでもいいようだった。
コソコソと言い合いをしている間に、どんどんと式は進んでいく。お祝いのスピーチに、新郎新婦のなれそめVTR。友人たちの余興には、思わず口の端が歪んでしまった。
目の前に並んだ食事にでも手をつけて、暇をつぶせばいいんだろうが、偏食気味の琉可にとってそれらは魅力的なものではなかった。
(……つまんないなあ)
琉可はもとより、あまりこういった冠婚葬祭のたぐいが好きではなかった。特に結婚式は、なぜか他人の幸せと今の自分を比較してしまって、うんざりしてしまったりするから。
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