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驚くくらい、鋭い明石さんの視線に思わず怯んでしまって、コクリと頷いた。
「あんたと離れること、課長は喜んでると思う?課長だって同んなじように苦しんでるはずよ?」
「えっ…」
裕も・・・苦しんでる…。
そうなのかな・・・。
裕も私と離れることを
少しは寂しいと感じてくれてる?
行く決心した中に、私と離れ離れになることを悩んでくれた?
「何も迷う必要ないよ…って…行ってらっしゃいって…背中を押してあげるのがあんたの役目じゃないの?そこで課長の足引っ張ってどうすんのよ!!」
真剣に話してくれる明石さんの表情で、冷静になって考えてみた。
思えばこの会社に入社して4年間。
海外へ研修にいけるなんて聞いたことがない。
だから、きっと誰もができることじゃないのはわかる。
裕は…それに選ばれた。
名誉あること…。
アメリカでがんばって欲しい。
それは本音。
なら…私はどうしたらいい?
私ができることは…何?
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