序章

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「武士桜」の前にいるナオトにオミは会っていない。会わせる顔がないのだ。オミは後ろめたさを感じていた。 武神の誰もがサクラに想いを寄せながらその想いを伝えなかったのは、ナオトの想いを皆が知っていたからだ。 ナオトは己の想いがサクラの心を揺らすであろうことを知っていた。そして、武神の皆もそれを分かっていたのだ。だから誰もサクラに想いを告げなかった。 だが、自分は己の想いを優先させ、抑えることのできない想いをサクラに告げてしまった。 あの時、サクラは戸惑っていた。そして背を向けたサクラを見た時に悟った。サクラの想いは自分には向いていないのだと…。
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