Prologue ~Aquarium~

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「なんか食う? っつっても、イチゴぐらいしかないけど」 「なんでイチゴはあるの?」 「貰ったんだよ」 下の階のおばさんに。 ちゃんと食べてるの?とか何とか。 やたらと世話焼きなおばさんで、冷蔵庫の中のイチゴもなかば強引におすそ分けされた。 ミウが食べるというので、イチゴを水にさらした。 「このままでいい?」 「いいよ。 でも、お砂糖もらえる?」 砂糖を差し出すと、ミウはコーヒーに砂糖をいれてスプーンでかき回した。 それからイチゴをカプリと食べて笑う。 「んー、美味しい」 こっちまだ何かを食えるほど回復してなくて、とりあえずカウンターチェアに腰かけた。 それだけの動作で頭が痛む。 「っつー……」
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