Prologue ~Aquarium~

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BAR~Aquarium~。 都内の片隅で偶然見つけたバーに、ふらりと立ち寄った。 その名の通り水槽に囲まれた店内は、適度に落ち着いていて。 ユラユラ泳ぐ熱帯魚を眺めながら酒を飲んでいたら、いくらか気分がマシになってきた。 底辺まで下降していたモチベーションが、やっと浮上してきた頃には、かなり酔っていた。 「隣、座ってもいい?」 澄んだ声がかかったのはそんな時。 窓際のカウンター席で一人で座っていた俺の隣に、ミッドナイトブルーのワンピースを身につけた女が、 問いかけておきながらこっちの返答を待たずに腰かけた。
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