Prologue ~Aquarium~

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ハニーブラウンのボブヘアー。 派手すぎないメイクに、シルバーのブレス。 グラスを持って隣に座った彼女は、疲れたようにため息をついた。 「あの男、しつこくて…」 彼女の視線の先を辿ると、出入り口付近のカウンターに座っていた男が、こちらを見て軽く舌打ちして席を立った。 ホッとしたように隣の椅子がクルリと回転する。 「よかった…」 「よかったって…。 今度は俺が口説くかもよ?」 冗談なのか本気なのか、自分でもわからないことを言うと、大きな瞳とまともに視線が合った。 「口説きたいの?」 「さぁ…」 「やる気ないでしょ」 「今のところは」
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