優しい音色に誘われて

始まり

＿＿♪♪♪……

どこからか聴こえるピアノの音色に耳を傾けながら、青年はそこに仰向けになり大きく深呼吸をした。

つめたいアスファルトの感触と肌をなでる心地よい風が眠気を誘い、青年は静かに瞼を閉じる。

(今日は…よく眠れそうだ…。)

雲一つない青い空の下、青年の眠りを遮るものは何もなく、
聴こえてくるのは微かな寝息と
青年を夢の中へと誘うピアノの音色だけ…。