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「大人しく、彼を渡してくれないかしら?
そうすれば特別に貴女の命も助けてあげるわ」
女性はこの状況で主導権を握っているのは自分だと言わんばかりに、偉そうだ。
まぁ、主導権を握られているのは事実だけど。
その女性が言うのは、取引の申し出。
もしこれを断ればあの女性は即座に魔法を発動して私は炎の渦に襲われるだろう。
反撃しようにも、今から新しく魔法陣を描く時間なんて、与えてくれはしない。
この状況では、隙もできなさそう。
私が助かるためにはこの申し出を受けるしか道はない。
だから。
「え?嫌だけど?」
まぁ、それが普通の魔導師なら。
の話だけど。
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