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灰髪に太眉。
漆黒の瞳は聡明というよりは勇猛。
がっちりとした体型は日々の鍛練の賜物だろう。
ハムレットはアスティスを見かけ、近付いてきたものの――
「アスティス、……っと、邪魔したみたいだな」
膝に乗せられたティルアを見て、すぐにも状況を察する。
「いや、別に邪魔ではないさ。
ティルアもラズベリアでは男と風呂に入っていたこともある」
波紋が一つ上がる。
「……っ」
真っ赤な顔で目を潤ませるティルアの姿に、ハムレットは少なからず動揺し、逃げるようにして洗い場へと去っていった。
洗い場は露天の浴槽の裏手にある。
桶をひっくり返す音が耳に届く。
「はぁ、ん……んん、や、アスティ…ス」
水面下で蠢く艶かしいものが、ティルアの衝動を突き動かす。
すぐさま後方から伸びてきたアスティスの手。
「聞こえちゃうよ、ティルア。
ああ見えてハムレットは勘が鋭いんだ……」
アスティスの指が数本ティルアの口へと捩じ込まれた。
「!? ―――っ、ふぁ」
驚いて声を上げようとするも、彼の指を噛む訳にいかず、何のつもりかと問おうとするも。
「ふぁ、……ふ、ふぁ……、あ」
彼の腰の動きが速まる。
突然与えられた刺激と羞恥から逃れようとするも、湯の中で押さえ付けられた腰の自由はない。
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