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「ふ、ふぁ……あん、あ、ふぁ……っ」
咥えさせられた指先からぬらりと口腔の粘液が滴る。
真っ赤に染まる顔を悩ましげに歪ませ、ティルアは快楽に喘いだ。
「……気持ちいい? ……ティルア」
アスティスの吐息に色気が溶け込む。
「ふぁ……っ、ふぁぁ……ん」
揺さぶられる身体。水中で合わさる身体の一部がティルアの弱い所を何度も何度も突き上げる。
「っ……この格好だと……ティルアの顔が…見えないね……」
「んっ」
口の中から指が抜かれ、自由になる。
ティルアの腰を掴んでいたアスティスの手がティルアの身体を反転させる。
向い合わせの格好になったティルアの眼に、息が上がったアスティスの顔が飛び込んでくる。
色気を含むインディゴブルーはすぐにもティルアの緋色の瞳を拐った。
「ティルア……」
合わさった唇がすぐにも噛みつく激しいものに変わる。
下肢の艶かしい動きに翻弄され、漏れる喘ぎは深い口付けによって遮られる。
「っ……ふぁ、ひゃ……ふぁ、あん」
「っ……!」
理性を失ってしまえば、何もかもが見えなくなる。
水面に上がる波紋も、ばしゃばしゃと激しく沸き立つ湯水の音も、合わさる咥内が立てる愛欲に満ちた淫靡な行為も。
「んっ、はぁぁん、あぁああん!」
びくびくと痙攣が起き、気持ちよさがティルアの内部で弾けた。
気だるさが一気に襲い掛かり、ティルアはクテッとアスティスの胸に身体を寄せた。
「なんだ、そっちの細っこいの……湯冷めでもしたんじゃないのか?
顔が真っ赤だぜ。目も虚ろだし」
いつの間にか洗い場から戻ってきたハムレットが湯船に浸かっていた。
「そうだな。
ティルア、そろそろ出るか」
「………………」
返答する余裕もなく、まだ身体をぴくんと反応させるティルアを見て、アスティスは不敵な笑みを浮かべた。
華奢な身体を抱いて風呂から上がったアスティスは抱き上げたティルアの耳元にそっと寄せる。
「気持ちよかったよ……ティルア」
「ひゃん!」
そんな夫婦の後ろ姿を目に、ハムレットは早く彼女を作ることを心に強く誓うのだった。
おわり。
次はデートだ!(*´ω`*)
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