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「つ…つかれ…た」
教室に戻った新入生は、皆ぐったりと机に倒れこんだ。
俺は一年組粟組。
一年は粟・芋・瓜の3組だ。
ネーミングセンスを問いたいけど、誰もつっこむ余裕はない。
「諸君、注目!」
いつの間にか担任の先生が前に立っていた。
ボディービルダー顔負けの筋肉を誇張するかのように、腹筋部分がくり貫かれ大きく開いたレザー素材のレスリングウエアのようなのを着用し、その上に新婚の奥様愛用のヒラヒラフリフリエプロンを着ている。
みんな、これまた内心は山のようにつっこみたいけど、疲れと先程の入学式のことがあるから、軽々しく口を開かない。
「諸君らの担任の三斉流 武男(みさいる たけお)だ。担当教科は技巧」
「先生、技巧ってどんなことをするんですか?」
前の方で誰かが手を挙げた。
「最低限の裁縫と料理、他には物作り全般だ。紙漉きから炭作り、陶芸など様々。オールラウンドと言うやつだ」
一日体験であるようなのかな?
それにしても、細かな手作業と縁遠そうなのに、この先生は意外に器用なんだ。
「たかが体験程度の技術なのか?と侮っているかと思うが、週一時間でその技術を体得せねばならない。息抜き教科と呑気に構えて油断するな!それらの技術はこれから役立つことばかりだ。腑抜けには即補習が待っている。一時間でマスターしなかったことを後悔しないようにな」
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