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「“どこ”を“どう”かいつまんだらそうなるんだ!」
「慶さん、どない話したんや…」
焦ってる二人には悪いが、必死の否定が認めているようにしか見えない。
それに、あんなに強烈だった副会長が、今は昔の典型的高校男子でギャップありすぎるよ。
「と、とにかく…俺は部活があるから先に行く。千聖、気をつけて部屋に戻れよ」
副会長は逃げるように行ってしまった。
「ぶっ…くくく…照れとんやで、慎之助」
「せやな。それにしても強さ以外、堅物で古くさいレトロな男やなあ。千聖ちゃん、まずどこがよかったん?」
「全部!初めて会った時に助けてもうて一目惚れや。めっちゃ強いし頭はええし、声はええし顔はええし。もう、選ばれへんわ。徹平くん、慎之助に惚れたらあかんで」
「千聖ちゃんに惚れても、それはないわ」
書記さんは呆気にとられてる俺に『徹平くんの友達?』と視線を向けた。
間近で落ち着いて見ると、さらに可愛いくて綺麗だ。
「初めまして。慣れへんことばっかりやろけど頑張ってな。徹平くん、ええ子やさかい、仲ようしたってや」
「え…いや…はい」
書記さんは『ほんだら』と階段を降りていった。
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