晴天ナリ( ̄ー ̄)

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副会長は赤く困った顔をしていたが、深呼吸を一度するとすぐに真面目な顔に切り替わり、静かに俺達の方を見た。 「おおまかな件は生徒会長の方より発せられた為、自分からは改めて付け加えることは特にはい」 静寂の竹林を吹き抜ける澄んだ風のような声が俺達を通り抜けた。 (うわぁ…いい声だなあ…) 「新しい環境で学校生活を楽しみたい気持ちはわかる。昨年、君らと同じ気持ちで我々もこの入学式を迎え、こうして先輩方にお言葉をいただいた。逸る気持ちを落ち着かせるのに心したのを覚えている」 副会長の言葉にざわついていた会場がさっきよりは少し静かになった気がした。 俺自身も、この副会長の声に気持ちが落ち着いてきたその時だ。 「だが、 面白半分に妙な行動をとらない方が身のためだ。 ここでは、世間一般の常識は通用しない。これは 注意ではなく警告だ」 この副会長…どう見て普通の体格の、けっこうなイケメン男子高校生なのに… この中では実に高校生らしい高校生なのに… 先程まで副会長から流れていた穏やかな空気が一転し、次第に言葉を一つずつ発するごとに騒いでいた場の空気がピーンと張り詰め、ただ立っているだけの彼の姿がぐんぐん大きく見えていく。 「万が一、不快な行動をとる 愚か者がいれば、俺は一切の容赦はしない」 目に籠められた力があったのか、俺は心臓が止まりそうなくらい力が入り背中が真っ直ぐ伸びてしまっていた。 それを感じたのは俺だけではないようで、まわりの新入生は虎にでも睨まれてるかのように全員黙って背中を伸ばし、息さえ出来ないでいる者までいる。 中には野生の勘がフル回転したのか、震えて腰を抜かして椅子から転げ落ちるヤツ続出…
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