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ギルドの受付嬢が丁寧に案内してくれた。
「いらっしゃいませ。パルメキオン統合学園ギルドへようこそ。」
「すみません。ここに来るの初めてなんですけれど?」
「はい。では、冒険者登録いたしますのでこちらにお名前と所属学科、学年の方をご記入ください。」
と、渡されたのは一枚の登録用紙。
用紙に必要事項を記入してしばらくすると俺に次いでチナが呼ばれ、奥の部屋へと通された。
「こちらでは簡単な適性検査を行います。では、浅草チナさん。こちらへ」
目の前にあるのは魔力測定器だ。
チナが魔力を流すと測定器の針が揺れる。
「はい。では、星空トオルさん。どうぞ」
俺が魔力を流してみるが測定器の針は全く動く気配がない。
係員が別の測定器を用意するがそれでも測定器の針は動かなかった。
係員はやむ無く適性魔法検知器を用意し俺に測らせた。
しかし、検知器も反応はなかった。
係員はやや驚いた様子で言った。
「え…?嘘?こんな事って…。ごめんなさい、星空さん。もう少し詳しく検査させてください。」
「はい。わかりました。」
俺が検査するといつもこうだ。"何にも引っ掛からない"。しかし、"何もない"。
俺には適性も操れる魔法も"何もない"。
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