第1章

4/205
前へ
/205ページ
次へ
 残りの三人、 井上将大(二十五歳)と江川大輔(二十四歳)、 間島裕一(二十二歳)は、 いずれも専門学校を卒業後、 小島デザイン研究所に入社してきた生抜きの社員だ。  デザイナー以外に、 事務担当の女性社員が一人いる。 彼女の名前は加藤雅美(二十二歳)、 高校を卒業後、 一度の転職を経て小島デザイン研究所に入社してきた。  たったこれだけの小さな会社なのだが、 ある日の一本の電話をきっかけに、 ハチの巣をつついたような騒ぎに巻き込まれてしまった。  それでは、 読者のみな様を、 電話がかかってきた場面にご案内しよう。 第1章 密告 1.  「社長、 お電話です」事務担当の加藤雅美の声に、 社長の小島健一は顔を上げた。
/205ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加