第1章

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 「実は、 本日お電話いたしましたのは、 私どものほうに御社の時間外労働賃金の支払いが適切に行われていないという告発がありましたので、 実態確認が必要と判断し、 ご連絡しました」  「時間外労働賃金が適切でない?」  「はい」  「どういう意味でしょうか?」  「残業代が適切に払われていないということです。 つまり、 サービス残業が行われているのではないかということです」  「サービス残業ですって? うちは、 ちゃんと賃金は支払っていますが」健一は気色ばんだ。 話が唐突過ぎると感じたからだ。
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