数奇な世界

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数奇な世界

  「空に円盤が飛んでいれば宇宙人の仕業なのか 乗っているのは幽霊ではないのか 廃墟で奇怪な現象が起きれば幽霊なのか 宇宙人の仕業ではないのか」 ここは会社の打ち合わせ室 僕は今、一人でパスタマシーンに関するビデオを見ている 先輩が用意してくれた物だ 今、画面の中で力説しているのはガチガチのリアリスト石頭 堅造 彼と議論を交わすのは超常科学研究家の超 常男と大学の生真面目准教授 そして、議論の元は彼らの目の前にあるパスタマシーンだ 常男「UFOに幽霊だなんて馬鹿馬鹿しい限りだ 宇宙人と幽霊を混同しないで欲しい そもそも地球外生命体は、」 司会「まあ、バラエティーですから、そう熱くならずに」 石頭「今のは例え話なのですが あなたは、なぜそうお思いなのです?」 常男「馬鹿馬鹿しい UFOといえば宇宙人だからでしょ 子供だって知ってますよ」 そう言いながら失笑する 石頭「UFOに宇宙人が乗っているのをあなたは見ましたか? それは受け売りではないですか? 光の屈折現象や、いまだ解明されていない気体の塊か何かが、風に乗っているだけ そちらの方が現実的ではありませんか?」 常男「解明されていないものとは何ともいい加減な そんな理屈が通じるなら、どうとでも言えてしまうじゃないか」 「だから、あなたがそうだと言っているんです」 「な!?」 司会「はい、そこまで! お二人共、話が逸れてますよ、パスタマシンに戻しましょう」 声「ピンポーン」 !? 突然の声に、司会が振り返る 画面の見切れていた先にカメラが動くと そこに映し出されたのは生真面目准教授だった 今まで静観していた生真面目准教授が、ここでついに参入するのか  
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