数奇な世界

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  司会「すみませんが聞いてください、この討論の主題は、なぜ味が消えるのかと言うことです このマシンのプロセスは実にシンプルなんです スイッチを押す、生地を入れる、パスタが出てくる 味が消えてる、なぜなのだ」 「んですから このパスタマシーン、味の変化はマシンのせいなのか、日常の中でアトランダム且つ不安定な現象が介入する余地が有るのか それは具体的にどの状態で、という事を説明したい訳です ん先程の話の続きですが、さらに遡れば古代ギリシャでの事です おそらく装飾品にする為でしょう 在る時、琥珀を磨いている時に、静電気の存在に気付いた者がいます まあ、今で言うなら下敷きを擦って頭に当てれば髪が逆立ちますが、これと同等の発見をしたわけです その、」 司会が慌てて締める 司会「はい、つまりですね 放射線のように目に見えず、今の科学ではその存在や数値を測定する物も無い いまだ未知の存在の何かが、ふとしたきっかけでマシンの内部に紛れているのでは無いでしょうか という事ですね、では次に、」  「ん面白い そのような解釈もあるが、いささかそれは短絡的と云える それであるならばニュートリノ、ご存知の通り素粒子の…」  
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