第1章

2/13
76人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
「だから……避妊したって言っただろ?」 産婦人科の自動ドアを出てから、直ぐに涼がそう言い出した。 「自信ないって言ってた癖に……」 産婦人科からの帰り道、涼と手を繋いだまま、膨れっ面でそう答えた。 「俺だって、初めてだったからさ……だけどさ、あの助産師さん、スゲー怒ってた」 「うん。性教育講座って言ってたけど、あれは、ほとんど説教だったね」 「ク―。検査結果出てからの一時間の説教はさすがにこたえる」 「でも……良かった。本当に……良かった」
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!