第1章

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それからわたしたちはその足で、青木クンの病院に向かって、涼とのことを正直に話した。 「青木、はっきりとさせなかった俺が悪いんだ。この通りだ」 涼が、青木クンに頭を下げた。 そして、涼の言葉に動揺した顔を隠せないでいた青木クンがポツリポツリと 話始めた。 「畑野が、沙都ちゃんのことを特別な目で見てたのは知ってた。最初に行ったカラオケ店で気付いてたよ。自分の女だって目で見てたもん。事故で、沙都ちゃんを庇ったのも、そんな畑野に気付いてたから、ちょっといい格好したかったってのが本音だよ。まさか、こんな状態になるなんて予想外だったけど、スポーツ疲労骨折だから、遅かれ早かれ、こうなってたんだろうけどね」
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