第1章

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「青木、身体がよくなったら、俺のこと殴っていいからな」 そう言った涼に両手を振って 「そんな……暴力沙汰起こせば、部活にまた迷惑かけちまうよ。そんなことより、沙都ちゃんのこと大事にしてやってよ」 「うん。分かった。肝に命じておくよ」 病室を出ようとしたわたしたちに 「沙都ちゃん。俺、やっぱりまだ、沙都ちゃんが好きだよ」 「青木クン……」 「でも、畑野と一緒に居る時の安堵した沙都ちゃんの顔見ると、悔しいけど現実を受け止めなきゃって、言い聞かせるつもり」 「青木クン……たまに……ここに来てもいい? 彼女ではなく友達として」 「それは俺に聞かないでよ。畑野に聞いて」 涼の顔を見ると 「イヤ……俺より真樹ってマネージャーに聞いた方がいい」 話がややこしくなって来たので、結局、涼と二人ならと青木クンが言い出した。
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